近年は、使うことが当たり前で日常化している「ChatGPT」などの生成AI。あれよという間にどんどん広がり、テキストに向いている、イラストが上手、などあらゆる用途にその存在がかかせません。
とても便利で手放せない一方、必ず頭にいれておきたいのが「著作権」に関してです。
画像を作ってホームページに掲載する、音楽を作ってYouTubeにアップロードする、どちらも簡単にはできますが、著作権という面で考えたら問題はないのでしょうか。逆に自分たちが生成AIを使って作ったコンテンツは著作権で守られるのでしょうか。
本記事では、正しく生成AIを使用できるように生成AIと著作権について、また個人や企業に与えるリスクについて説明していきます。
私たちホームページ制作においても、必ず知っておかなければならない知識になります。
生成AIを便利に、かつ安全に使えるようにリスクを知って安全のための対策を考えましょう。
目次
著作権について知っておこう!基本的な考え方
著作権とは

著作権とは著作物を保護するために、作った人に与えられる権利になります。
他者が創作した著作物を無断で使用したり複製することを検視する権利のことです。
著作権法では著作物を「思想または感情で創作的に表現したもの」と言っています。
著作物とは具体的には「小説などの書籍にはいっている文章、絵画やイラスト・動画や映画・写真・音楽」などになり、特別な手続きもなく作った時に作った人がその権利を得ます。つまり、その作品が生まれた瞬間に著作権法で守られてることになります。
そこには具体的に〇〇といったものという明確な定義はありませんが、簡単にいうとどこにでもある表現や作風、画風といったものは一般的に著作物と認められません。
参考元:e-GOV法令検索 著作権法 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000048
著作権の侵害になりえる危険な場面

主に生成AIを活用する際に著作権のリスクや注意として、以下の2つ段階に分けて問題となり得る場面を考えるといいでしょう。
- 開発・学習段階において著作物を学習用データとして生成AIに読み込ませる。
- 利用段階における著作物と同一または類似の表現の生成
それぞれにおいて、次項で説明していきます。
開発・学習段階においてのカギは「享受性」にあたるかどうか

こちらは、生成AIの開発学習段階においては、学習用データが著作物だった場合にAIで学習させるといった行為が、著作物を複製していると考えられてしまうというリスクになります。そのため、「複製」の行為が著作権侵害にあたるかどうかが重要になります。
著作権法第30条の4によると「著作物は、次にあげる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害すること場合は、この限りではない」とあります。これは、つまり
- 自分または他人に享受させることが目的ではない。
- 著作者の利益を不当に害することはしていない
上記1.2.が守られるのであれば、著作物を生成AIに読み込ませるといった行為は、侵害には当たりません。
利用段階での著作権の侵害は「依拠性」で決まる

生成・利用段階においては生成AIが既存の著作物と同一または類似しているものが生成された場合は著作権の侵害になるのでしょうか。
そして、その生成物をインターネット上にアップロードした場合はどうなるのか?
既存の著作物と類似したものを生成した場合を想定して、3つに場面分けして判断していきます。ここで重要な判断の基準になるのは「依拠性」です。こちらが認められるか認められないかが侵害のカギになっていきます。
<既存の著作物と類似したものを生成した際の依拠性の判断基準>
- 利用者が既存の著作物を知っていた場合
依拠性が認められ、侵害が成立する - 知らなかったが学習データに含まれていた場合
客観的なアクセスがあったとみなされ、原則として依拠性が認められ、侵害が成立する。
ただし、技術的に「類似した表現が出ない」と判断される場合は侵害にならない場合もある。 - 利用者は知らず、学習データにも含まれない場合
偶然の一致と考えても問題はなく、依拠性は認められず侵害は成立しないと判断される
もしも、上記の判断基準で「侵害」にあてはまる場合は、気づいた時点ですぐアップロードや公開をやめれば、過失には問われにくく、損害賠償などの責任を負わなくて済むケースもあります。
生成したとしても、公開前、利用前に「これは侵害に当たるのかな」などと疑問を持ち、どこにあてはまるかを確認していきましょう。
これまであった生成AIをとりまく著作権違反になった事例

- 円谷プロダクション
中国の企業がウルトラマンシリーズを生成AIで生成したことで著作権を持つ
「円谷プロダクション」が提訴した件です。
こちらは訴えが受理され損害賠償と、画像の生成防止などを命じる判決がだされました。
こちらは「生成したウルトラマンの独創的な表現を部分的または完全に複製したもの」と判断されたものです。つまり、「類似性」「依拠性」ともにあると判断されたケースになります。
参考元:読売新聞 「ウルトラマン」に似た画像提供の生成AI事業者、中国の裁判所が著作権侵害で賠償命令(https://www.yomiuri.co.jp/culture/subcul/20240415-OYT1T50069/) - AIで生成された画像が著作物と認定され無断複製された事例
これは、千葉県の20代男性が画像生成AIを用いて制作した画像が無断で複製され、複製した男が販売した書籍の表紙に使用していたことがきっかけになりました。
これは、AIで生成した画像が著作物にあたるか?に注目がされました。
結果、プロンプトの分量、内容、生成思考回数などが総合的に判断され画像は著作物と判断されたため、仕様した男は著作権侵害になりました。
参考元:読売新聞「AI生成画は著作物」、無断複製の疑いで男を書類送検へ…千葉県警が全国初の摘発(https://www.yomiuri.co.jp/national/20251120-OYT1T50016/)
このように少しずつ、生成AIの著作権については線引きが決まってきていますが、まだまだ事例も少なく、明確に「これは侵害だ!」とは言えない状況です。
ですが、判例にもあるように「明らかに類似している」や「プロンプトが膨大にあり、明らかに著作物」のような場合は、「著作権侵害」は明白なようです。
生成AIによる作品が著作権侵害をおかしてしまったら

企業での対策を考える前に、想定されるリスクについてをキチンと確認しておきましょう。
主には2つに分かれます。
- 民事上での責任
民事上での責任は刑罰にはなりませんが、代償は事の次第によりはかりしれません。 以下のような処分を求められる可能性があります。
・販売停止
・差し止め請求
・賠償金
・不随したイベントなどの中止など
また、一度著作権侵害をしてしまうと、炎上や霊標などのネガティブな評判が立ち、社会的信用を取り戻すには長い年月と果てしない努力が必要になります。 - 刑事罰
悪質な侵害、故意の侵害になると刑事罰も適用されるかもしれません。
著作権法違反の罰則は「10年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金」が科されるケースがあります。 また、法人は3億円以下の罰金も考えられます。
企業がするべき生成AIの著作権侵害を防ぐための3つの対策

上記のような、元通りにならないリスクは企業にとっては可能性としてなくしておくべきです。 ますます猛威をふるう生成AI時代に向けて今のうちに対策を講じておきましょう。

- 社内のルール・ガイドラインを作成する
社内のAIについてのルールやガイドラインを備えておきましょう。
それは著作権に限った話だけではなく、例えば事実確認や文章の言い回しの確認、プロンプトのルールなどAI利用に関するルールを徹底しておきましょう。 また、使っていいAIや利用可能シーンなど厳重に管理をすることが寛容かと思います。 - チェックリストを作る
前項のガイドラインにそって生成AIを使用して一つの画像を作ったと仮定します。
それはあくまで、人間がガイドラインにそって作ったに過ぎず、著作権侵害が完全に防げたものにはなりません。
そこで、リリースする前には必ずチェックリストで最終確認をすることで、著作権の侵害にあたっていないかを確認いたしましょう。
考え方で変わるところもあるので、関わっているチームメンバーと共に確認することで、共通の認識をもつことができ、たとえ質問される機会があったとしても、全員が同じ答えをつたえることが可能です。文化庁では「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」を提示していますので、そちらを参考にしてみてください。
参考元:文化庁 AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス(https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/seisaku/r06_02/pdf/94089701_05.pdf) - とにかく最新情報を確認しよう!
生成AIは日々めまぐるしく進化を続けています。また、日本だけでなく世界のあちらこちらでAIと著作権の論争が起き、事例として積みあがっていきます。
情報は常に最新のもので判断していくことがAIに関しては最適解です。
記事の閲覧でしたら、公開日を必ずチェックしてみてください。
まとめ

生成AIを扱うときは、著作権のリスクを考えよう!
今回は生成AIで何かを作るとき、または作ったものに関しての著作権について説明させていただきました。
- 著作権とは何か
- 著作権はどういう時に発生するのか又は、しないのか
- 生成AIにまつわる事例について
- 企業がするべき生成AI対策
今一度、見直しをして、業務時は必ず対策をしてみてください。
冒頭でも伝えましたが、生成AIというのはとても便利です。トータルの作業や疲労から人間を守りアシストしてくれます。一方で、かしこいがゆえにたくさんの知恵を多方面から引っ張りだしてきます。 いずれにしても著作権を侵害しないように、安心して生成AIを役立てていきたいですね。
株式会社フォイス/Webサポチームは、生成AIに関して知見があるものばかりです。
Web上のコンテンツ、または紙面を作成する時に生成AIを使用した画像等を掲載したい場合など、判断に困ることがあればぜひ、私たちにご相談ください。制作を含めてサポートさせていただきます。
また画像やテキストだけなく、AIボットの設置などのご相談も可能になっております。
お声がけお待ちしております。

